ミノルタXD  ワインダ−D付

アマチュアカメラ論争の終止符

シャッタ−優先か絞り優先かという問題がかつてあったらしい。カメラ雑誌ではこの論争が中心となってずいぶんにぎやかだったらしい。
らしいと書くのは、この当時の自分はそれほどカメラに興味はなく、ギタ−少年だったからである。
なにはともあれこのカメラの出現により論争に終止符が打たれたわけである。これを追従する形でキヤノンA−1が登場して、今度はミノルタXDかキヤノンA−1かでまた論争になるという結果を招く。
XDはシンプルな操作性を売り物にし、A−1はモ−ドラとデジタル表示を売り物にしたと記憶している。その後ミノルタはX−700を、キヤノンはAE−1プログラムからT90へと発展していくわけである。
X−700でしばらく沈黙していたミノルタがα7000を発売した為、T90の影が薄くなったのも事実である。以降キヤノンは威信をかけてEOS650を発売。
これ以降のキヤノンとミノルタの技術競争は各メ−カ−を刺激しつつ業界あげてのAF競争に突入する。
その引き金となった元をただせば、このXDとA−1だったわけである。

みのかんとXD

XDはカメラ集め初期の頃に入手した。カメラ雑誌の広告で有名な松坂屋カメラに電話するとXDのブラックボディがあるという。値段を聞くと13000円。当時の相場が3〜4万円だったので、何故そんなに安いのかをたずねるとファインダ−にカビが生えているからだという。
すぐに購入。届いたカメラを見るとなるほどファインダ−接眼部に目立つかびがある。
すぐに分解、上カバ−はずしエタノ−ルで拭き取り組み立てる。この程度のレストアは当時すでに手馴れたものになっていた。

ロッコ−ルのレンズはMC、MDともに数本持っていたのでさっそく撮影にもちだした。まず感じたのは独特のレリ−ズ感である。とにかくソフトで静かである。
当時ライカにOEM供給して技術提携していたからとも考えられるが、この前のモデルXEにしても、このXDにしても操作性が非常に滑らかである。
これに比べるとキヤノンAシリ−ズのゴツゴツ感はすでに比較の対象にならない。

特筆すべきは、ブラックボディの塗装技術である。手ずれしずらい塗装は後にも先にもこれを越えるものはない。このあたりがライツとの技術提携の結果ではないかと思っている。

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